先日、クーリエジャポンのウェブサイトをチラ見していたら、遺伝子検査に関するとっても面白い記事があり、著者を見たら「高城剛」と、・・・どっかで聞いた事あるなぁと思っていたら、そうだ、沢尻エリカさんの元夫、ハイパーメディアクリエイターの人だ!←くらいの知識しかない
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クーリエジャポン:最先端の遺伝子検査を自分の身体で試したら、がんが見つかった!|高城剛「ストリートの社会学」特別インタビュー編 Vol.17-2
で、このインタビューはこの本の宣伝だと思うのですが、えぇ、すっかりその気にさせられたポチりました。
建前が全くなく、思ったことをズバズバおっしゃるのが爽快で、「べつに」とのたまったエリカ嬢を思い起こしてしまいます。
空気を読まないというか、その空気の背景にあるものをあざ笑うというか。面白い。
この本は、最近気になっていた「健康診断」を大きく越えて、高城さんが世界中の最先端の検査を数百万円かけて自腹で受けまくり、第一線の有識者から直接話を聞きまくった上でのルポ。
科学者でも医者でも医療関係者でもない、しがらみのないフラットな視点でありながらも、情報の羅列や単なる批判・称賛に終らないのは、高城さんという強烈な個性・信念というフィルターがかかった個人的な体験記だからなのだろう。
そういう意味で、最先端検査の生情報もさることながら、医療との新しい付き合い方の一つの形を分かりやすく、納得する形で提示されていることが、本書の心髄なのでは、と思いました。
その付き合い方とは・・・
「予防医療」から「予測医療」へ〜アンジェリーナジョリーの乳腺切除〜
健康診断の数値が、平均値や基準値から乖離していたら薬や通院で治療しましょう・・・そんな画一的な「予防医療」は、国と癒着する医療・製薬業界に都合の良いシステム。数値を少しいじれば、製薬会社が丸儲けですから。
でも、その恩恵を受けて来た部分も大いにあるし、おんぶに抱っこで任せ切っていたのも事実。
>いま「情報医療革命」によって、長寿や健康への正しい取り組みを決めるのは、他ならぬ自分自身になったのだ。
正直「みんなと同じ」の方がラクチンだ。とりあえず毎年健康診断を受け、国や医師に任せておけば、余計な心配や判断をしなくて済む。「予防医療」に何の抵抗もなかったけど・・・
>米国で認可取り消しになった1本60万円もするという某抗がん剤は、日本で今日も当たり前のように使われている。
既得権益を守ることが目的となったシステムはゆがみ、不都合な最新情報を遮断し、日本は世界の最先端医療から置いていかれているのではないか。
現在の医療が抱える闇を知る程に、これで私の健康は守られるのだろうか・・・という不安がふつふつと涌いて来る。
・健康診断の是非について思う「健康診断は受けてはいけない」近藤誠
私は考えることを放棄して(させられて)いないだろうか?
そこで、遺伝子解析による「予防医学」という話。
>将来起こりうる病いを事前に予測し、先回りして病いを防ぐ。そんな「予防医学」を可能にしたのは、遺伝子解析という技術の進化の賜物といえるだろう。
アンジェリーナ・ジョリーが遺伝子検査を受け、高いガンリスクが認められ、乳癌予防のために現代の医学では「健康な乳腺」を切除した、という一連の話。
Wikipedia:アンジェリーナ・ジョリー(乳腺切除と遺伝子・卵巣・卵管切除)
>「誰でも助言を聞き、選択肢を知り、自分にとって正しい選択をすることはできるのです。知識は力なのです。 」by アンジー
「知識は力」か・・・アンジー強いなぁ、櫻田はついつい受け身でいいや、まだ時期尚早と、目をつぶりたくなったよ。
・遺伝子検査今なら30%オフで2万!DMで一瞬本気になったが止めた話
>民主化された医療テクノロジーを持つ個人と、既得権益者の戦いを予測するものにもなるだろう。
民主化された医療テクノロジーを「持てる人・持とうとする人」と「持てない人・持とうとしない人」との健康格差が大きく開くということでもありますよね。
高城さんと同じ様に、貪欲に人生を謳歌し続けたいならば、国や権威が守ってくれると依存するのではなく、経済的・知識的に自分で努力する必要がありそうです。
努力とか面倒だわ・・・お金もないし・・・あ、本心が・・・。
日本で実際に受けられる「3つ星」最先端検査
この本のメインコンテンツは、この「3つ星」最先端検査自腹体験記です。
もちろん、体験談に留まらず、医師・専門家から学ばれた最先端の情報や注意点、高城さんの広い見識に基づいた分析や見解が得られます。
本の裏の帯より。
うわさの「テロメア」をチェックする検査や、LDLコレステロール値(櫻田常時高い)に代わる検査・・・櫻田もいくつか受けてみたいと思って調べていますが、やっぱりコスト高いですねぇ・・・。
櫻田はやはり「民主化された医療テクノロジーを持てない」側の人です、はい。
「ピロリ菌除去で僕の善玉菌までいなくなった!?」
最後に、面白い高城さんのエピソードを紹介させて下さい。
>「次世代シーケンサー」によって、僕の腸内フローラを調べると、花粉症にならない菌「BB536」が、まったくないことが判明した!年々ひどくなる僕の花粉症だが、振り返るとピロリ菌を除去してから悪化していた。
>これは推察に過ぎないが、ピロリ菌を除去した際に飲んだ抗生物質によって、もともと持っていた良い菌もあわせて除去されてしまったため、花粉症が悪化してしまったのではないだろうか。
あまり前例のない検査や治療を受けたりすると、思わぬところで副作用があるかもしれない・・・でも、胃がんになる(なる可能性が高いままでいる)よりはマシなのか?
こういった、自分にとって不都合であろうことも公開されるので、高城さんの話されることは信頼できる!と感じました。
参考:胃がんを防ぐためにピロリ菌除去しようぜ!というのが流行った時期がありましたが、批判もあったりいろいろ。今はどうなんだろう。
・予防医療普及協会:ピロリ菌除菌は無意味?
・Nikkei Style:ピロリ菌、除菌治療後も要注意 残る胃がんリスク
★
身体のことは身体に任せ、「良く寝て、バランス良く食べて、適度に運動をして、笑って楽しく生きる」方が「健康を心配してあれこれやってストレスを溜める」より長生きできるだろ、というのが、櫻田の根底にある価値観です。
・・・と思いながらも、最先端検査、気になりますっ!
受けたらレポしますね、一番安い検査ならどうにか・・・。
ちなみに、帯の「アンチエイジングを越えたハイパーエイジングの時代へ」というコピーがツボでした。
さすが(元?)「ハイパーメディアクリエイター」!
いやでも本当にハイパー面白い方です。本を何冊か読んでみようと思いますが、とりあえずこれを読破しよう。
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